基本知識

在住歴12年のライターが語る!サンフランシスコの治安(エリア別情報) と旅行における心得


サンフランシスコは、全米の中でも比較的治安がいい都市だと言われており、ユニオンスクエアを中心にレストランやショップが並ぶダウンタウン、海沿いに位置するフィッシャーマンズワーフなど、日中は問題なく散策ができます。

しかし、日本に比べるとまだまだ安全とは言えません。昼間は問題ないエリアでも、夜間は危険な場所になることも。観光する際には、各エリアの情報をしっかり知っておくことが重要です。

以下、サンフランシスコの中で危険とされるエリアや定番の観光名所における治安、旅行における注意点を改めてまとめました。

※今記事は、サンフランシスコ在住歴12年のライターYH. Grenierさんに情報提供&ご執筆いただき、ブログ管理者(mica)が構成と執筆・変更を加えたものです。

目次

治安が悪いエリアの見分け方

代表的な「治安が悪いエリア」は後述しますが、大前提として以下のようなエリアは安全ではないので、うっかり迷い込んでしまった場合には早めに抜け出すことをおすすめします。

建物の窓やドアに鉄格子が付けてある。

街のいたるところにゴミが散乱している。

道端で寝ている・座っている人がいる。

ボロボロの服を着て歩いている人がいる。

安全だと言われているエリアでも、ある一画では窓やドアに鉄格子が付けられている場合もあります。窓やドアを破って盗難・窃盗が行われるので、防衛のためです。

また、治安が悪いエリアでは、ゴミ箱をあさる人がいるため、ゴミがそこら中に散らばっていることも多いです。こういったエリアは、歩いていると「なんだか様子がおかしいな」と感じます。

サンフランシスコだけではなく、アメリカは1ブロック違うだけで一気に治安の良し悪しが変わるので、おかしいと思ったら元の場所へ引き返してください。

絶対に行ってはいけない危険エリア

Tenderloin(テンダーロイン)

サンフランシスコ市内で最も危険な場所。ここが担当の警官はストレスが多いため、特別な肉(テンダーロイン)を食べるに値するといった意味から付けられた名前になります。

O’Farrell Steetのヒルトンホテルが西の境界と言われているので、ここから先は行かないこと。気軽に行けるグルメなレストランが点在し人通りも多いですが、基本的には昼間でもおすすめしません。争いがあるなと思ったらすぐに離れ、夜間は絶対に立ち入らないでください。

テンダーロインでは、道路脇に座り込む人、ボロボロの服を着ている人、ブツブツ独り言をしゃべっている人、信号無視して道路の真ん中で佇んでいる人、ギラギラした目で睨みつけてくる人…など、見るからに様子がおかしい人々がたくさんいます。車で通り過ぎる際にも、そちら側はあまり見ないようにして目を合わせないこと!また、写真を撮るのも絶対NGです。

ゴミが落ちていて汚いし、ホームレスもそこら中にいるので「なんとなく違う」雰囲気を感じると思いますが、テンダーロインには「TENDERLOIN」と書かれたスカイブルーのフラッグが電柱に目印として掲げられているので注目しておいてください。

厄介なのは、ユニオンスクエアなど観光中心地と隣接しているため知らない間に足を踏み入れてしまうパターン。こういう超・危険エリアがすぐそばにあるのだということを忘れないようにしてくださいね。

時間帯や日程により注意が必要なエリア

Mission(ミッション地区)

最近はやりのレストランやバーが多数オープンし、若者を中心に人気のエリアです。しかし数年前までは銃撃事件が毎日のように起こる場所でした。今でもまだその名残があるので、車での移動をおすすめします。

ミッション地区には、地下鉄バートの「16TH STREEET」「24TH STREET」二つの駅があり、昼は乗車客も多いため利用自体は可能ですが、駅周辺にたむろっている人たちからは、正直いい雰囲気は感じません。貴重品は衣服の内側などに入れる、あまり身綺麗な格好はしすぎないなど、注意は必要です。


Market Street(マーケット・ストリート)

市内を斜めに横切る大通り。Embarcadero から 5th Streetまではオフィス、ショップ、レストランで賑わっていて安全ですが、5th Streetから10th Streetの間は閉店している店が多く(いわゆるシャッター通り)、開いているのはアダルトショップやストリップバーで、非常に治安が悪いです。

サンフランシスコ市はTwitter(ツイッター)、Uber(ウーバー)、Square(スクエア)などの一流企業を誘致し治安の改善に取り込んでいますが、まだホームレスがたくさんいて、窃盗事件、傷害事件が多発しています。夜間は照明が暗くなるため、立ち入らないでください。

SOMA(ソーマ)・AT&T PARK周辺

Market Street(マーケット・ストリート)の南に位置するSOMA(ソーマ)と呼ばれるエリアは、バーやクラブを除けばとても静かなです。週末の夜は若者を中心に人通りが増えますが、銃撃事件などが起こる場所なので、車での移動をおすすめします。

また、野球観戦が行われるAT&T PARK周辺では、車の窓ガラスを割られる、バッグを盗まれるなどの事件が多発しています。酔っ払っている人も多いので、くれぐれも注意してください。

Golden Gate Park(ゴールデンゲートパーク)

アカデミー・オブ・サイエンスやコンサバトリー・オブ・フラワーズ、デ・ヤング美術館など魅力的な観光スポットが集まった公園で、昼間は安心して楽しむことができます。

しかし大きな公園なので、あまり人気のないところを歩行するのは避けてください。夜間は茂みの中に寝泊まりをしている人が集まるので、一気に危険な場所に様変わりします。

Haight&Ashbury(ヘイト&アシュベリー)

ゴールデンゲートパークに隣接するヘイト&アシュベリーはヒッピーの発祥地として有名ですが、薬を使用している人が多く、その人達が公園内に流れてくるので夕暮れ以降は特にあまり近づかないようにしてください。

また、近くに位置するMission Dolores Park(ミッション・ドローレスパーク)は人気の公園ですが、色々なイベントが行われ、イベント内容により危険な場合もあるので訪問前にはカレンダーをチェックしてください。

Western Addition(ウエスタン・アディション)

サンフランシスコ市内で最も高級とされる住宅地・Pacific Heights(パシフィックハイツ)から高級ショッピング街・Fillmore Streetを抜けるとJapan Town(ジャパンタウン)に着きます。

パシフィックハイツからFillmore Streetは比較的安全なエリアですが、ジャパンタウン以降、Geary Streetを超えると一気に危険になります。

定番の観光名所の治安について

Union Square(ユニオンスクエア)周辺

ダウンタウンの中心に位置し、ショップ、レストラン、ホテルが並びます。ケーブルカーの発着点でもあるため、人が多く安全な場所ですが、スリには注意してください。

市内で最も危険と言われるTenderloin(テンダーロイン)まではわずか数ブロックの距離です。Taylor Street とGeary Streetの交差点 、Taylor Street とO’Ferrell Streetの交差点より西は行かないようにしてください。

Fisherman’s Warf(フィッシャーマンズ・ワーフ)

年間通して世界中からの観光客でにぎわう安全な場所ですが、ここでもスリは日常茶飯事です。特に、中心となるピア39で多発しています。また、駐車した車は常に見られているので、貴重品は見えるところに置かないようにしてください。

治安も考慮したい宿泊エリア

観光や出張で悩むのが「サンフランシスコのどこに宿泊したらいいの?」という問題。ホテルの料金や生活感も重要ですが、ここはアメリカ最も重要視しなければならないのが「治安が良いこと」です。

以下の記事では、サンフランシスコ市内もしくはサンフランシスコ国際空港近くのおすすめホテルを紹介しています。

治安についても触れていますので、ぜひホテル選びの参考にしてみてくださいね。実際にわたしが宿泊したホテルです。

2017年の日本人被害状況

サンフランシスコ総領事館のホームページによると、2017年1〜6月の半年間だけでも日本人の方が何らかの被害に遭った事件が22件確認されています。これは領事館が把握しているものだけなので、実際はもっと多いはずです。

そのほとんどがひったくり、もしくは車の窓ガラスを割られて「パスポート入りのバッグを盗まれた」というものです。万が一遭遇した場合、犯人を追いかけたり、怒鳴ったり、相手の感情を刺激するのは避けましょう。顔や洋服の特徴を覚えておくなどして警察に連絡してください。

万が一に備えて保険に入ろう

いくら治安がいい場所であっても、スリや盗難は日常茶飯事。わたしの友人だけでも二人の男性が、車の窓ガラスが割られてパソコンやiPadが盗まれるという被害に遭っています。

自分自身で貴重品管理を徹底するのはもちろんのこと、もし被害に遭ったときのために海外旅行保険は入っておいたほうが無難です。

サンフランシスコはクレジットカード支払いがスタンダードなので、海外旅行保険が付帯しているカードが一枚あると便利ですよ。

以下の記事を参考にどうぞ。

サンフランシスコ旅行全般における心得

ここからは、サンフランシスコ旅行で自分の身を守るために頭に入れておきたいお役立ちTipsです。サンフランシスコだけではなく、アメリカ(海外)旅行すべてに当てはまります。

※一部、差別的と受け止められる可能性を含む表現がありますが、あくまでもローカルの安全情報に基づいたものであり、観光する方々に対する情報であることをご了承ください。

徒歩や公共交通機関

人との距離は日本と同じ。違和感を感じる距離に近づいて来る人には注意。

基本的に公共のバスは安全ですが、路線による。必要以上に目が合う人、近づいて来る人、停留所にずっといる人など危険な可能性あり。

痴漢行為をされた場合は、まず「Excuse me?」や「Hey!」と叫び、自分は不快であることをはっきりと表し、離れるなど対処する。周りの人が助けてくれることもあるが、それ以外は逃げるのがベター。

ホームレスから小銭をせがまれることがある。ローカルの人はお金をあげたり、話し込んだりしているが、それは顔見知りでお互い危険でないことを知っているから。初めての人に対してはどんな態度に出るかわからないので、視線を合わせないで通り過ぎるのが一番危険を回避できる方法。

ホームレスの一部の人は精神障害や薬による脳障害を患っている場合がある。叫んでいる、変な動きをしているなど異変がみられたら絶対に近づかない。動物的な感覚で、ある程度の距離に近づくと攻撃されかねない。

一目で観光客や訪問客だと思われる服装は避ける。観光客は窃盗の標的にされやすいので、高価なアクセサリーやバッグはパーティーや高級なレストランに行くなど特別な場合を除いて身につけない。後ろから突然襲われるケースが一般的。

観光地の近くでも人通りの少ない通りや、バス路線がない通りは避ける。昼間でも後ろから襲われる事件が多発している。どうしても通らなければならない場合は、常に周囲に注意する。

サンフランシスコで夜間に女性が一人で歩いていると、大きなバンから数人の男性が降りて来て誘拐されそうになる事件が多発。夜間はなるべく出歩かないようするか、外出しなくてはならいない時は車を使う

人にぶつかってしまったり、行列の順番を間違えてしまった場合などは、きちんと「I am sorry, I didn’t see you.」など口にする。因縁をつけられるようなことがあったら、無視して立ち去る。相手にすると事態が悪化することがある。

ATMを使うとき、周囲に意味もなく立っている人には注意。高級ショッピング街でもいきなり銃を突きつけられることがある。現金を渡さない場合、銃で撃たれるケースも。現金は渡して、あとから警察に連絡する

観光スポットであまりにも陽気に話しかけて来る人には注意し、嫌なことがあれば「No」と言う

車を運転する場合

車から離れる時は貴重品は車内に置かないようにするか、ダッシュボードの中にしまうなど、外から見えないようにする。盗難・窃盗は安全な地域でも起こりえる。

路上に車の窓ガラスが散乱しているのは事故ではなく車内荒らしの後。駐車中は窓ガラスを必ず閉める

人は赤信号でも横断歩道を渡るということを頭に入れておく。交通があってもなくても人は渡るので、常に周囲を注意して運転する。

飲酒運転は厳禁。タクシーや配車サービスなどをなるべく使う。

軽い接触事故は交通を妨げないようにすぐに右の路肩に移動して、警察を呼び、相手と情報交換する。決して事故の経緯などを相手と話したりしない。すべて保険会社の人に任せる。

Uber(ウーバー)やlift(リフト)と行った配車サービスが人気なため、市内の交通量が増加中。あまりローカルの情報を知らない運転手が多数いることを考慮して、慎重に運転、歩行する。また明らかに乱暴な運転をしている車とは車間距離を十分に取る。

まとめ

「日本では飲み水と安全はただで手に入る」と他の国の人が驚くほど、日本の日常生活は安全です。サンフランシスコ旅行では、普段の生活とは違うことを心がける必要があります。

財布やパスポートなどは、万が一に備えて上着の内側にしまえるシークレットケース(セキュリティポーチ)を利用するなど対策を取っておくと安心です。


財布やパスポートを上着の内側に!【シークレットケース】

あまり気にし過ぎてサンフランシスコ観光が楽しめなくなるのは良くありませんが、常に危険なことが「起こるかもしれない」環境に自分はいるのだということを意識して楽しんでくださいね!

サンフランシスコの基本情報に関してはこちらの記事もどうぞ。


サンフランシスコの定番名所とやりたいこと10カ条や近郊のおすすめ観光地を以下の記事にまとめています。


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